どうしたら、もっと”わたしらしく”働ける?
“暮らす”まちで”働く”という、ひとつの理想のカタチを実現している人をゲストに招いて、お話しを聞くトークイベント「働くと暮らすの交差点」が、12月11日(日)に開催されました。本サイト『としまscope』のオープニング記念イベントとして、「家族と自分らしい働きかた」をテーマに、豊島区で暮らしながら働く3組の先輩方に登場いただき、これまでの道のりや、家族との時間の過ごし方、そしてその仕事のスタイルなどについてお話しいただきました。

スキッとした冬晴れの午後、都電荒川線向原駅近くの「日の出ファクトリー」に、大勢の人が集まりました。
はじめに、会場となった「日の出ファクトリー」の紹介からスタート。ここは「つくるひとが集う場所」としてワークショップや様々な教室、部活動などを行うシェアスペースで、まちの作り手が集まる場所として2015年にオープン。ものづくりを行う場所というだけあり、広々とした空間ですが、イベント当日は40人以上もの参加者が集まり、熱気にあふれていました。参加者は区内はもちろん、区外からも、そして女性だけでなく男性も多く来られ、「暮らしかた」と「働きかた」への関心の高さがうかがえます。

今回のトークゲストは、豊島区内で自分らしい働き方を実践されている3組のみなさん。姉妹でカフェ「SOROR(ソロル)」を営むChieさん&Kaoruさん、こどものための家庭科教室「korinco home」を開講しているKanakoさん、そして美味しいごはんを提供する「ごはんや ちどり」のYukaさんです。


生まれ育ったこの街で、子育てしながら自分たちの夢を叶えること

最初のトークはカフェ「SOROR(ソロル)」を営む、ChieさんとKaoruさんの姉妹です。その名も「姉妹」という意味を持つ「SOROR(ソロル)」は、6月にオープンしたばかりの、14席の小さなカフェ。モーニングと、ランチ、カフェタイムを提供しています。オープンして半年ほどですが、ご近所の常連さんや近くで働く方などに人気のスポットに。その立ち上げのきっかけは、姉のChieさんの一言だったそう。

ー「ふたりとも飲食関係の仕事をしていたので、いつか自分たちのお店を出したいねとは話していたんですが、なかなか踏み出せずにいました。あるとき姉が今やらなくちゃ後悔する!と言いだして(笑)」(Kaoruさん)

ー「友人のお店のオープニングを手伝ったときに、自分もやりたいという気持ちが頂点まで来ちゃったんですね。これはやるしかないと!」(Chieさん)

実は2人とも子育て中のママ。育児と仕事の両立は、無理をしないことだそう。カフェのオープン時間は子どもの保育園に合わせて設定。朝は8時半から、そして18時にクローズ。職場も家も保育園も近いことが、2人の夢を現実的なものにしてくれたそう。

ー「自転車で行き来できる距離なのが続けられるポイントのひとつだと思います。大変なこともたくさんありますが、子どもが、ママが頑張っている!と喜んでくれるのが励みになりますし、何よりも嬉しいですね」(Kaoruさん)

ー「私たちはまだスタートしたばかり。やりたいことはもっとたくさんあるんです。ワークショップなどの場も提供して、地域に開かれたスペースになっていけたらなと思っています。どうやって拡大していけばいいか、これからの課題でもあり、楽しみでもあります」(Chieさん)


ご近所のカフェへの飛び込みからスタート。 家族の会話のきっかけにもなる習いごと。

2番目に登場したのは、元家庭科の教師で、現在はこどものための家庭科教室「korinco home」を開講しているKanakoさん。家庭科教室とは、耳慣れない言葉ですが、一体どんな内容なのでしょうか。

ー「korinco homeは楽しく衣食住を学ぶ場所です。家事を子どもに教え伝えるのに、お母さんひとりでは大変ですよね。そこで、家庭科の教室があればいいなと思っていたのですが、どこにもなくて。それならばと、自分で始めることにしました」(Kanakoさん)

料理や裁縫など、いわゆる〈家事〉を楽しく子どもたちに教えているKanakoさん。ただ単に技術を伝えるのではなく、習い事をきっかけに家族間コミュニケーションも生まれてくれればと願っているそう。

ー「たとえばこの前は、「おにぎらず」作りの講座を行ったのですが、できたものはお家に持ち帰ってもらいました。今日はこんなことをしたよ、など家族の会話のきっかけにもなってくれればと思っています」(Kanakoさん)

そんなKanakoさんも2児のママ。この教室をスタートする際に最初に考えたのは会場のことだったそう。場所探しをしている時に見つけた近所のカフェに、子どもを抱え、なんとその場で飛び込みで相談。

ー「カフェとの出会いは本当にラッキーだったと思います。スペースを貸していただけることになって、夢が実現しました。要町に住んでいるのですが、ここは都心にありながらほんとアットホームな街。ご近所さんに恵まれていると日々実感しています」(Kanakoさん)


街は大きな家族。 消去法で始めた仕事も、気がついたら6年目に。

最後を飾るのは3組の中でもベテランの「ごはんやちどり」のYukaさん。お店を始めたきっかけはお母様の介護だったそう。

ー「もともとフリーランスのカメラマンだったのですが、母のケアをしながら仕事をしたいと考えるようになりました。それなら、家の近くで仕事をしようと。できること、できないことなどいろいろ模索したのですが、残ったのが飲食業だったんです。積極的にカフェをしたいというのではなく、最初は消去法でした(笑)」(Yukaさん)

予算がないなか、お店をスタート。内装は自分たちで行ったそう。それが逆にYukaさんらしい空間に仕上がり、たちまち人気に。3年前には手狭になって2店舗目をオープン。

ー「何事もタイミングが大切だと。楽しそう、何かできそう、やってみたい、と思ったタイミングがあればうまくいくはず! 母の介護をしながら今もお店を続けているのですが、暮らしと仕事が近いと、距離だけでなく精神的にも楽。母になにかあっても近所の人が教えに来てくれたり」(Yukaさん)

街が大きな家族のよう。今後の夢は自分の家族を持って子育てしながらお店を続けたいとYukaさん。

豊島区で、わたしらしさを叶える。 豊島区なら、わたしらしさが見つかる。

前半のトークが終わり、休憩を挟んで、後半はキーワードをもとに3組への質問コーナーがスタート。「わたしらしさとは」、「1日の時間割は?」、「お金のこと」、「広報活動」などについての具体的な質問も来場者から投げかけられ、大いに盛り上がりました。これから何かを始めたい人や暮らし方を模索している人にとって、実際に自分らしい暮らし方を実践している3組のリアルな話は、とても有意義なものだったはず。

また、この3組だけでなく、豊島区には暮らしと仕事を上手に結び生活している人がたくさんいます。もし興味があれば、ぜひお気軽に声をかけてみてください。小さなカフェやショップなど、気軽に声をかけてお話しをきいてみることができる、そんな気軽で身近な距離感が豊島区らしさのひとつかもしれません。今後もこのように豊島区で活躍する方を迎えたトークイベントを開催していく予定です「働くと暮らすの交差点 vol.2」もどうぞお楽しみに!

文:田口みきこ
写真:西野正将


<開催概要>

働くと暮らすの交差点[vol.1]ーとしまscopeオープニング記念イベントー

ゲスト
子育てママ姉妹でカフェをオープンしたChieさん&Kaoruさん
SOROR(カフェ・東池袋)

オリジナルの家庭科教室をはじめた、元は学校の先生だったKanakoさん
korinco home(子ども家庭科教室・要町)

カメラマンからカフェオーナーになったYukaさん
ごはんや ちどり(カフェ・西池袋)

開催日時:2016年12月11日(日)13:00-15:00(開場12:30)
会場:日の出ファクトリー
参加費:500円 ※オープン記念特別価格
(ドリンク・プチデザート付き)
主催:としまscope(豊島区)、日の出ファクトリー
運営協力:合同会社日出家守舎