池袋にルミネができて西口の印象も随分変わりましたが、これまでの豊島区との関わりを教えてください。

豊島区は、私が新入社員の当時に初めて配属された駅が「池袋」でしたので、個人的にもとても思い出深いまちなんです。そして昨年の春、ルミネ池袋の店長として約40年ぶりに戻って来ました。当時と比べ、おっしゃる通りルミネ池袋ができたこともあり、西口の印象は随分変わりましたね。ルミネ池袋のオープンは2010年ですから7年になります。お客様のターゲット層は20〜30代の働く女性なのですが、近頃は若い子育て世代のニューファミリー層も増え、おかげさまで、よりたくさんのお客様に支持いただいております。
また商品の販売だけでなく、池袋を訪れる人々や、ここで暮らす皆さんにとって心地のよい場所になってもらいたいと、地域づくりにも参加しています。たとえば、目の前のメトロポリタン通り。ここをもっとおしゃれな通りにしたいと、区と協力しあい開発を進めているんです。区道の花壇を整備したり、並木にイルミネーションを設置したりと、まちを訪れ、道を歩いている皆さんにも楽しんでいただけたらと思っています。
ルミネ池袋店としても、1階に新しくアーケードをつくり、オーガニックカフェなどがオープンし、より外に開かれた空間へとリニューアルしました。メトロポリタン通りが、パリのシャンゼリゼのようになって、ルミネ池袋の1階が駅に向かうパサージュのように、人々に愛され人々が集まる場所になるといいですね。西口はまだまだ開発途中。どんどん変わっていくと思いますよ。

スタッフの皆さんの働きかたについても、伺いたいと思います。女性が多い職場かと思いますが、何か特別な取り組みはされていますか?

ショップで働くスタッフはほとんどが女性、社員も7割が女性で、そのうちの9割はこれから出産や育児を控えている世代です。そんな中、2013年に就業規則が見直され、ワーク・ライフ・バランスを考え、働きやすい環境を整えた「きらきらルミネ」という働き方のガイドづくりのプロジェクトが発足しました。新制度が導入されたのは2014年で、人生のどんなステージにいても、安心して自分らしく働きながら人生をきらきらと輝かせるようにと、多種多様な働き方を実現しました。
さまざまな改革がありますが、例えば勤務制度についての例をお話ししますと、それまでは育児なら6時間、介護なら1時間内での短縮などと、事由も時間も決められていました。それが新しく、妊娠という事由が加えられ、労働時間は4時間、5時間、6時間と選べるように。
さらに、年次休暇も、年休、半休だけでなく、1時間単位での取得も可能になったんです。より個人に寄り添った制度へと変わりました。というのも、このプロジェクトに携わったメンバーは、独身や育児中など様々な世代の社員。実際に働く目線で様々な意見が取り入れられてできたんです。

休みたい理由も時間もそれぞれですから、細かく選択できるのは素晴らしいですね。それにしても1時間単位で休みを取得できるのは、他業界でも聞いたことがありませんでした!
自分のライフスタイルにあわせてフレキシブルに働き方を選べるのは、本当に働きやすい職場で、社員の皆さんも実感されていることと思います。


そうですね。さらに、制度を整えただけではなく、ソフト面でも社員をサポートする仕組みをつくりました。休職中でも職場の様子がわかるように情報を共有できるタブレットを渡したり、休前・休中・復帰前・復帰後とこまかな面接をもうけてコミュニケーションをはかることで、休職や復帰の不安を取り除くようにしています。
他にも、時短のスタッフの評価が不利にならないように、業績や時間だけでなく、面談をすることでお互いに納得のいく評価をするようにしています。これは、“働きやすさ”だけでなく、“働きがい”にもつなげたいという思いがあるからです。

働きやすい環境を整えることで、働きがいも生まれるということですね。日々の仕事においての働きやすさへの取り組みなどはあるのでしょうか。

これまでの経験や習慣を一旦ゼロベースに戻して、どのようにしたら働きやすくなるか、業務の見直しの意見を出しあってできたシステムがあります。ショップスタッフと社員との間の連絡をペーパーレス化にしたもので、「ルミコ」と呼ばれています。それまで、書類を提出するためにショップのスタッフはわざわざ営業部事務所まで上がってこなくてはいけなかったものを、「ルミコ」を使うことでオンラインで共有できるようになりました。無駄がなくなり業務もスムーズに。一見、システム化されてコミュニケーションが希薄になりそうな気がするのですが、今まで以上にお互いにケアしあえるようになっているようです。

単なる「業務連絡システム」ではなく、「ルミコ」という愛称もコミュニケーションの円滑さにひと役かってそうですね! 植原さんご自身は「イクボス」として意識されていることはありますか?

些細なことなのですが、例えば会議を時短勤務の方に支障がない時間に設定することや、会議資料をコンパクトにまとめることは意識していますね。また個人に負担がかからないようにチームを作ることも大切かと思ってます。個人的には、仕事のオン・オフは永遠の課題なのですが、安全・安心の鉄道部門から、ルミネという新しい場所にきて、若い人たちと働くのが楽しく、好奇心がわき、休日の行動範囲がひろがりましたね。

最後に、この度豊島区と「FF協定」を結びましたが、子育て世代や働く世代にとって、どのようなまちづくりを期待していますか?

池袋は2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて再開発がすすみ、どんどん盛り上がっていくことと思います。より一層、ワクワク、ドキドキ、変化しつづけるような楽しいまちになることを期待しています。ルミネに訪れてくださるような若い女性や皆さんが元気に過ごせるまちとして、公民が連携をはかり西口をさらに魅力的な場所へと改革していきたいですね。

インタビュー:宮田麻子(豊島区女性にやさしいまちづくり担当課長)
文:田口みきこ
写真:細川浩伸


植原修一

株式会社ルミネ 常務取締役 池袋店長
JR東日本(旧国鉄)での現場勤務を経て、株式会社ルミネへ異動。本社勤務ののち、2016年6月にルミネ池袋店長に就任。2017年9月に豊島区の掲げる「女性にやさしいまちづくり」を公民連携で推進するための「FF パートナーシップ協定(FF 協定)」を締結。豊島区とは、新卒時の勤務先が「池袋」であったこともあり縁も深い。

ルミネ池袋 http://www.lumine.ne.jp/ikebukuro/


としまのイクボス