平田さんは、民生委員や副町会長の経験を経て、平成23年に池袋四丁目の町会長に就任。様々な活動を通してまちづくりに取り組んでいらっしゃいます。取材した日に池袋公園で行われていたお祭りもそうした活動のひとつ。

-「このお祭りは夏休み最後の週末に毎年行っているものです。私が町会長になって始めた催しのひとつで、池袋公園を使ってまちのみんなが元気になるようなことがしたい!という思いがありました。町会の婦人会や若睦会の男性陣、この地域にある養護老人施設や自立支援センターの職員さんなどに協力をしていただいています。公園の隣にある池袋小学校でも告知をしていただいて、今年もたくさんの子どもたちが参加してくれました」

お祭りが行われていた池袋公園は、パブリックトイレの大改修プロジェクトの一環として若手アーティストが壁に絵を描いた「アートトイレ」の第一号があることでも知られています。植物や花、蝶が鮮やかに描かれた美しいトイレは、池袋四丁目のシンボルとも言える存在です。

-「トイレがとてもきれいになったね、と皆さんに声をかけていただきました。この辺りには公衆トイレがあまりないので、公園を利用する方はもちろん、通りすがりの方にも利用いただくことが多い場所です。外壁をとてもすてきなものにしていただいたので、いつも気持ちよく使っていただきたいと思っています。以前、床が泥で汚れていたことなどがあって、気がついたときは私がモップで掃除をしたりしていましたが、今は掃除の回数を週5回から毎日に増やしていただいたので、いつもきれいな状態になっていると思います。近所の方が、トイレが汚れてたとか電灯が消えてたとか、気づいたことを私に教えてくださるんですよね。そういう皆さんの日々の目配り、気配りで公園を見守っているという感じです」

昭和10年生まれの平田さんは、この池袋で生まれ、子どものときに集団疎開をしていた一時期を除いてずっと池袋で暮らしていらっしゃいます。変わりゆく池袋にどんな思いがあるのでしょうか。

-「池袋は昔からある家に若い方が少なくなり、代わりにマンションが増えています。この7年間で6棟も出来たんです。ワンルームのマンションも多く、町会への加入率が低いのが悩みの種です。あるマンションでは、町会に入会いただくために7割の入居者が決まるまで待ったりしたこともありました。どうやったら若い世代にまちに関心をもってもらえるかというのが、今の一番の課題。5月31日に毎年行っている『ごみゼロデー』や地区の運動会には若い方もたくさん参加していただいているので、こうしたイベントをきっかけに町会やまちづくりに関心をもってもらえるように考えていきたいと思います。今のお母さんたちは同世代とのつながりはあっても、私たちのような年代の家族と同居している人は少なくなっていますから、地域の高齢者などとも気軽におしゃべりをしたり、声をかけあって助け合えるようなきっかけができればいいなと思います」

インタビュー:宮田麻子(豊島区「わたしらしく、暮らせるまち。」推進室長)
文:切替智子
写真:冨田了平


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