今夏は、埼玉県熊谷市で国内最高気温の41.1度が観測され(7月30日時点)、各地で最高気温35度以上の猛暑日が続くなど、記録的な暑さに見舞われています。これからの時期、まだまだ気をつけたいのが「熱中症」。いつでも、どこでも、誰でも条件次第で熱中症にかかる危険性がありますが、熱中症は正しい予防方法を知り、普段から気をつけることで防ぐことができます。

「熱中症」の症状とは?

熱中症は、高温多湿な環境に、私たちの身体が適応できないことで生じる様々な症状の総称です。

以下のような症状が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。
・めまいや顔のほてり
・筋肉痛や筋肉のけいれん
・体のだるさや吐き気
・汗のかきかたがおかしい
・体温が高い、皮ふの異常
・呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない
・水分補給ができない

知っておきたい 熱中症の応急処置

もし熱中症かな?と思うサインがあったときは、すぐに応急処置を行い、場合によっては救急車を呼ぶなどして医療機関に連れて行きましょう。

熱中症の応急処置 大切な3つのポイント
(1)涼しい場所へ移動しましょう

まずはクーラーが効いた室内や車内に移動しましょう。屋外で、近くにそのような場所がない場合には、風通りのよい日かげに移動し安静にしましょう。

(2)衣服を脱がし、体を冷やして体温を下げましょう

衣服をゆるめて、体の熱を放出しましょう。氷枕や保冷剤で両側の首筋やわき、足の付け根などを冷やします。皮ふに水をかけて、うちわや扇子などであおぐことでも体を冷やすことができます。うちわなどがない場合はタオルや厚紙などであおいで、風を起こしましょう。

(3)塩分や水分を補給しましょう

できれば水分と塩分を同時に補給できる、スポーツドリンクなどを飲ませましょう。おう吐の症状が出ていたり意識がない場合は、誤って水分が気道に入る危険性があるので、むりやり水分を飲ませることはやめましょう。
救急車を待っているあいだにも、現場で応急処置をすることで症状の悪化を防ぐことができます。熱中症は命に関わる危険な症状です。甘く判断してはいけません。

お盆休み明けは特に熱中症に注意が必要なタイミング

これから先、「お盆休み明け」は熱中症患者が増えやすい要注意タイミングです。休み前は体が暑さに慣れていますが、休みの間に快適な環境で過ごす時間が増えることで、体が涼しさに慣れてしまうのが主な原因です。休日の生活リズムから平日モードへの変化も相まって、夏バテや休み中の疲れが溜まりやすい時期であることも影響します。例年、お盆休み明けはまだまだ残暑が厳しい時期なので、注意が必要です。

熱中症にかからないようにするために、以下の対策をぜひ実践してみてください。

対策1 シーズンを通して、暑さに負けない体づくりを続けよう
熱中症を予防するためには、暑さに負けない体作りが大切です。気温が上がり始める初夏から、日常的に適度な運動をおこない、適切な食事、十分な睡眠をとるようにしましょう。

対策2 日々の生活の中で、暑さに対する工夫をしよう
暑さは日々の生活の中の工夫や心がけでやわらげることができます。適度な空調で室内の温度を快適に保ったり、衣服を工夫することで、熱中症の危険を避けやすくなります。また、日よけをして直射日光を避けましょう。自分のいる環境の熱中症危険度を常に気にする習慣をつけることも重要です。

対策3 特に注意が必要なシーンや場所で、暑さから身を守るアクションを
炎天下でのスポーツや、空調設備の整っていない環境での作業時などでは、熱中症の危険からしっかりと身を守るアクションをとることが必要です。適度な水分と塩分の補給をおこない、こまめに休憩をとるようにしましょう。

よりパーソナルな診断ができる「熱中症セルフチェック」

適度な水分・塩分の補給やこまめな休憩といっても、具体的にどれくらいの量や時間なのか分からない、という方も多いと思います。そんな方のために、「熱中症ゼロへ」は、年代・活動内容・現在いる場所の環境に応じた「自分だけ」の熱中症情報を提供する「熱中症セルフチェック」をウェブページで公開しています。無料で簡単に診断できますので、ぜひご活用ください。

「熱中症セルフチェック」  https://www.netsuzero.jp/selfcheck

「年代」「活動レベル」「現在地」の3つを選択すると、その環境に1時間いた場合の熱中症危険度を4段階のレベルで診断します。熱中症危険度を4段階で診断し、その場所で1時間活動を行った場合にどれくらいの水分が失われるかということと、何分に1回休憩したほうがよいのかという休憩タイミングの目安を示しています。「コップ1杯分の水分が失われます」「30分に1回休憩してください」など、具体的な数字で結果が出ますので、こちらを参考に、水分補給やこまめな休憩を取るようにしていただければと思います。

おわりに…

「熱中症ゼロへ」は、熱中症にかかる方を減らし、亡くなってしまう方をゼロにすることを目指して、一般財団法人 日本気象協会が推進するプロジェクトです。2013年夏のプロジェクト発足以来、熱中症の発生に大きな影響を与える気象情報の発信を核に、熱中症に関する正しい知識と対策をより多くの方に知ってもらう活動を展開しています。記録的な暑さが続く今年の夏、熱中症の正しい知識を身につけて、自分自身や周囲の方が安心して過ごせる工夫をぜひ行ってみてください。

日本気象協会 「熱中症ゼロへ」プロジェクトリーダー
曽根 美幸

熱中症対策の基本は、とにかく「無理をしないこと」です。
「私は大丈夫」ではなく、「みんなで気をつける」ことで熱中症をゼロにしましょう!