きっかけは東日本大震災。 日本を元気にしたいとスタート。

「RYOZAN PARK」は巣鴨と大塚の駅前にあります。巣鴨は単身者向けのシェアハウスとシェアオフィス、大塚には個室とフリーデスクのシェアオフィス、そして保育施設があり、一般的なシェアスペースよりももっと親密で、まるで家族のようなコミュニティ作られているのが特徴。それまでアメリカのワシントンD.C.で仕事をしていたという竹沢さんが日本に戻って、「RYOZAN PARK」を立ち上げた想いとは?

-「東日本大震災の様子を遠くアメリカで見て、新しい形のコミュニティを作って日本を元気にしたいと、帰国しました。現在2棟ありますが、最初は巣鴨です。なぜ巣鴨かというと生まれ育ったまちだから。ここをまずは元気にしたいと思いました。まずは暮らしから、とシェアハウスを作ることにしたのですが、小さい頃、実家が商売をしていて家族のほかにもたくさんの大人に囲まれて暮らしていたんですよね。その原体験が元になって、いろんな人がいる暮らしを形にしたのが結果的にシェアハウスになりました。

今一緒に運営にも携わってもらっている近藤さんは、高校の先輩でシェアハウスの初期メンバーでもあるんです。実はこのシェアハウスで結婚して子どもが生まれ、ここで働くという、RYOZAN PARKの申し子のような存在(笑)。実は他にも12組のカップルが生まれ、18人の子どもが誕生しました。結婚してもみんな近くに住んでいて、度々集まるので大きな家族のような存在です。そして自分たちが子育てをするようになると、子育てしながら働くのって大変だということに気がつきます。そして育児をしながら仕事のできるシェアオフィスが生まれました。一番新しい事業は保育ビジネスです。これも自分たちがこういう場所がほしいよね、という想いでスタートしました」(竹沢さん)

子どもたちに多様性を教えたい。子どもはみんなで育てたい。

巣鴨のRYOZAN PARK(シェアハウス)出身の近藤直美さんは、大塚で託児付きシェアオフィスの進化版として4月より認可外保育園として開園した「RYOZAN PARK Preschool 」のディレクター。100%英語で保育するプログラムで、お子さんの国際的な感覚を養うだけではなく、親御さんは同じビル内にあるシェアオフィスで仕事もできます。子育てと仕事を両立できるこの施設は、会社を退職してフリーランスになった方もいて、魅力的な環境が整っています。

-「RYOZAN PARKを設立した時の“日本を元気にしたい”という想いは、たくましく生きる子どもたちを育てたいということにつながります。そのために必要なコミュニケーション能力を育みたいという理想を掲げてスタートしました。うちの子も2人とも通っていて、たくさんの大人に囲まれて、仲間たちに育ててもらっているんですよ」(竹沢さん)

-「私も子どもが生まれたばかりですが、こうやって現場で働けているのは、みんなで子育てをしているから。よその子もうちの子も、だれもがお母さんでお父さんなんです。とはいえ、認可外の保育園をスタートさせるのには苦労の連続でした。一流のスタッフを揃えるのにもコストはかかりますし。これから2年間は、東京都からのインキュベーション施設運営補助事業により運営費が一部カバーできる予定なのですが、今後は自分たちで運営できるようにするのが課題ですね」(近藤さん)

誰もがわたしらしく暮らせたら、まちはずっと元気になる。

ところで同じ場所を“シェア”すると、近い世代、似たような業種の人が集まりがち。でもここ「RYOZAN PARK」には赤ちゃんから、外国人の起業家まで、とても幅が広いのも特徴のよう。

―「そうなんです。弁護士も会計士も、デザイナーも投資家も。NPO法人もいれば子育て中のママもいる。うちの両親も住んでいますよ! ビルをリフォームする際に、母親がキッチンのデザインだけは譲らなくて、やたらと広いスペースに(笑)。でもみんなでご飯をたべるというだけで、本当にコミュニケーションが生まれるんですよ。屋上にテラスがあるのですが、よくバーベキューをするんですよ。“同じ釜の飯”とよく言いますが、食事は本当に大切だと思います。」(竹沢さん)

写真提供:RYOZAN PARK

「そしてこれからのRYOZAN PARKですが、豊島区で新たに活動しようと思う人達にどんどん使ってもらいたい。何かを始めたい人を応援し、外国人でもサポートできる体制もバッチリ。自由な考えを持てる多様性のある子どもたちを育て、増えていけば、“わたしらしさ”はたくさん生まれます。そして、こういう暮らしを通して、人と関わることの大切さや価値が分かれば、まちにも元気が広がっていくと信じています」(竹沢さん)

写真左から
主任教諭 マーガレット・リードさん、教諭 ジャッキー・ニャルカモさん、ディレクター 近藤直美さん、代表取締役 竹沢徳剛さん、コミュニティーマネージャー 浦長瀬紳吾さん

文:田口みきこ
写真:西野正将


RYOZAN PARK
https://www.ryozanpark.com/