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町会長になって見えてきた、まちのこと。

重田さんは生まれも育ちも西池袋とのことですが、どういう経緯で「上り屋敷町会」会長に就任されたのですか?

ー「5年前、町会長を引き継いでもらえないかと、声をかけていただいたことがきっかけです。私は現在81才なのですが、仕事で12年間ほどハワイで暮らしたことがあった以外は、生まれたときからずっとこのまち。62才のときに仕事をリタイヤしてからは悠々自適に過ごしていました(笑)。町会長のお話をいただくまでは、町内との関わりといえば、孫を連れて参加した地元のお祭りや盆踊りくらいで、特別に深くは関わることはありませんでした。ですので、これはお世話になってきたこのまちにご奉公ができるチャンスかもしれないと思い、お引き受けしたんです。

町会長になって、約1800世帯もあるこの地域で、町会に加入しているのが400世帯ほどという現実を知り、驚きました。私の最初の仕事は、地域の住人の皆さんに、どうやったら町会に入ってもらえるのかを考えることでした。 町会の役割は分かりにくいかもしれませんが、皆さんの暮らしの安全を守ることも、そのひとつです。例えば、月に1度、消防署の方にもご協力いただきながら防災訓練を行なっています。参加される皆さんはとても熱心に聞いてくださり、30〜50人くらいは集まるほど。これは私が町会長になる前から続いている行事のひとつで、地域交流のきっかけにもなっているので、やりがいを感じています。このような行事を続けていくためにも運営費は必要です。そういう意味でも町会への加入者が増えてくれるといいなと思うのですが、マンションが増えるなど、“向こう三軒両隣”などという昔ながらのご近所付き合いがしにくい住宅事情などもあり、なかなか難しいのが現状です」

今と昔、まずはまちを知ってもらうことから。

町会への入会を増やすのは、暮らしの変化によりどこの町会でも苦労されているようですが、「上り屋敷町会」では何か特別な取り組みなどをされているのでしょうか?

ー「ひとつは、住んでいるまちの今と昔を知ってもらうことだと思い、冊子を作っています。これがきっかけとなり、池袋第三小学校3年生の授業の一環で、池袋の今と昔についてのお話をさせていただくようになりました。子どもたちはとても熱心に真剣に聞いてくれるので、我々もやりがいがありますし楽しませてもらっています。

また、先日リニューアルオープンした上り屋敷公園のイベントでは、オリジナルの紙芝居をつくり、来場した皆さんに披露しました。紙芝居の素材となった写真などは、古くから町に住んでいる、町会のメンバーたちが持ち寄ったものなんですよ。ここら辺一帯は震災にもあうことがなかったため、戦前から変わらない町なみでした。道も狭く昔ながらの家が建ち並んだ住宅地で、私が小さかった親の世代のころは、近所付き合いもさかん。でも次第に、戸建ての家がアパートやマンションに建て替わっていき、徐々に変化していったんですよね」


(写真提供:豊島区)

公園をきっかけに、もっと顔が見えてくるまちへ。

住んでいる土地を知り、まちに愛着を持ってもらうことで、暮らし方への意識も変わってくるかもしれませんね。重田さんは町会長として、どんなまちを目指しますか?

ー「あいさつの行き交うまちが理想です。そのためには住んでいる人の顔がみえることが大切。若い方はお仕事をされていて時間もあまり取れませんから町会に参加するのは大変だとは思います。でも、お祭りがあれば、若いお父さん方が頑張っている姿を見ることができますし、先日行なった公園のイベントにもずいぶん大勢の地域の皆さんが集まってきてくれました。公園には新しいベンチもできましたし、以前よりも集いやすくなったと思います。公園をきっかけに、これからはもっと顔が見えてくるかな、と期待しています」

重田軍司
西池袋で生まれ育ち、1974年から12年間はハワイで飲食業に従事。86年に帰国後、再び西池袋に戻り、2015年より上り屋敷町会長としてまちづくりに携わる。休日に趣味のゴルフに行くのが楽しみ。

インタビュー:宮田麻子(豊島区「わたしらしく、暮らせるまち。」推進アドバイザー
文:田口みきこ
写真:西野正将 撮影協力:自由学園明日館

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