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商店街に期間限定オープンするZINEが作れる印刷所の可能性

そして、2019年の秋、Hand Saw Pressが豊島区に期間限定でやってきました。「フェスティバル/トーキョー19」のプログラムの一つとして、2019年10月5日から11月10日の約1ヶ月間、リソーとのコラボレーションで大塚駅南口の空きスペースに出店。《ひらけ!ガリ版印刷発信基地》のタイトルで、まちに開き、まちの人々を巻き込むことをテーマに実現したプロジェクトとなりました。

基地で連日開かれたのは、「誰もが自分が伝えたいことを自由につづり、印刷物『ZINE(ジン)』をつくる」というワークショップでした。―「好きなものを表現して、同じ興味を持つ人同士で交換するZINEのカルチャーには、SNSにはない喜びがある」と話す菅野さん。サンモール大塚商店街の一角に出現した基地には、会期中たくさんの人が訪れました。オープン当初は、自作の絵画や文章を片手に訪れるアーティストやリソグラフの愛好家が中心でしたが、日を追うごとに近隣の住民や子どもたち、リピートする人の姿も見られるように。年齢、国籍を越えて様々な人が集まり、大盛況のうちに最終日を迎えました。

菅野さんは建築家であり、週末だけオープンする住み開きのジャークチキン屋「AM-A-LAB(アマラブ)」のオーナーでもあります。自分たちの欲しい場所を自分たちの手でつくってきたこととZINEの文化がリンクして、今回の企画に至ったのだそうです。そんな菅野さんに、複数の会場候補地から選ばれたのが大塚でした。―「国際色豊かで、なおかつ商店街の人が元気。歩いてみると本当におもしろいまちですね」。リソグラフの世界観、一度楽しんでみたいものです。


わたしだけの時間をつくる、まちのちいさな貸切ヘアサロン

勤めていた美容室でキャリアを積んだ金子さんは、―「最先端のモードを追うのではなく、一人ひとり違うヘアスタイルの“悩み”に応えられる美容師でありたい」というスタンスを確立していきました。やがて、本格的に独立を考えるようになった時、実家の「駅から遠くて人通りが少ない」というウィークポイントが、「静かで住む人のそばにある」と自身の理想に近いことに気づきます。こうして「お客様が心からリラックスでき、毎日が少しだけハッピーになるスタイルを提案するサロン」を目指して、ちいさな木をオープンしました。

金子さんのモットーは、3つの“似合う”を意識したスタイリングです。その人の雰囲気や顔、背格好に似合うか、ライフスタイルには似合っているか、そして一番大切にしているのは、その人の今の気分に似合っているかということ。―「ちいさな木に行ったら、今までと雰囲気が変わってちょっとだけ気分が上がる。そんな風に感じてもらえたらうれしいですね」。アシスタントに頼らず、金子さん一人が全ての施術を行う貸切サロンは、他のお客さんがいない分、小さな子ども連れの人も気兼ねなく過ごすことができるのだそうです。

そんなちいさな木も、オープン当初は予約ゼロの日がありました。―「暇すぎて辛かった時期に、店の前を通る近所の人が笑顔で声をかけてくださって。それは本当にありがたかったですね」。ハロウィンには近隣の子どもたちにお菓子を振る舞ったり、保育経験のある看護師さんが見守りスタッフとして入る日を設けたりと、いつも「ご近所さん」に思いを寄せる金子さんです。


南池袋公園の変化と共に。池袋の不動産オーナーの新たな挑戦

南池袋公園を見渡すことのできるそのビルは、賃貸物件「SH Block南池袋」に生まれ変わり、宮副さんにオーナー業が託されました。―「目の前にある南池袋公園がこれだけきれになったのだから、1階には公園を満喫できるテナントを誘致したい」と思案した宮副さん。リノベーション計画の当初から描いたのは、こだわりの味に定評のあるコーヒーショップ「ブルーボトルコーヒー」の誘致でした。

その決意は固く、中高生時代の後輩を頼りに同社との交渉にこぎつけます。しかし、確固たるブランドイメージのあるブルーボトルコーヒーのこと、契約締結は容易ではありませんでした。工事費の返済を抱えながらも他社からのオファーを断り続け、長期化してもなお地道な交渉を続けたのは、─「まちに対する大家の責任を果たしたい」という信念からでした。

―「南池袋公園やグリーン大通りがきれいになったのは、行政の人や尽力したまちの人たちのお陰。その変化の波にただ乗るのではなく、池袋のまちのために自分ができることをしたい。利回りや賃料のことばかり優先する大家であってはいけないと思ったんです」。ブルーボトルコーヒーの誘致を節目に、まち歩きイベントを開き、南池袋公園で毎月開催されるnest marcheではキャストを務めるようになった宮副さん。他にも、SH Block南池袋の屋上を活用したヨガ教室やバーベキューイベントなど、地域のプレイヤーたちに活動の場を提供しています。―「池袋の更なる変化にしっかり参画していきたい」と語る言葉から、池袋への熱い想いが伝わってきました。


ベトナムで40年続く人気フォー店の2号店は池袋

勤めていた会社では事業開発に携わり、その後、人材開発・組織開発事業の会社を同級生たちと設立。「本気で向き合うからこそ生まれるドキドキワクワクする感覚=Playful」をビジョンに掲げ、Playfulな人材・組織の輩出に尽力してきました。ある時、自身のPlayfulにも目を向けた墨さんは―「フォー屋さんをやる」と仲間に宣言。―「できるかどうかわからないし、ほとんどの人に反対されたし、何から始めたらいいのか検討もつかない。でも、未体験を体験することが好きな自分にとって、絶対にPlayfulな一歩になる。それだけは確信していました」

ベトナムで食べたフォーの味を日本に持ってきたら絶対におもしろい──。その一心で、フォーティンのオーナー、ティンさんに直談判し、必死の交渉を重ねました。ティンさんのお店は45年間、小規模ながら1日2000人の来店客を誇り、各国から暖簾分けのオファーが絶えなかったといいます。そのティンさんの心を見事射止めた墨さん。2018年3月に株式会社プレイフォーを設立し、同じ味を日本で再現するために試行錯誤しながら1年かけて基盤をつくりました。

―「できるだけ多くの人に食べてもらえるよう様々な人が集まる場所を選ぶことが、出店の許可をくださったティンさんへの報いだと思った」と、池袋に開業した理由を語る墨さん。食材選びから調理法までティンさんの厳しい手ほどきを受けて、フォーティントーキョーのフォーが完成しました。オープン初日、「この味を池袋にもたらしてくれてありがとう」というお客さんの声に溢れ、うれしさのあまり墨さんとティンさんは涙して抱き合いました。そんな墨さんのPlayfulはスタッフにも伝播し、ますます加速するフォーティントーキョーです。


会場となった《GLOCAL CAFE IKEBUKURO》は、サンシャインシティの玄関口ともいえる場所にあります。としま会議の会場となったのは今回で2度目。グローバルとローカルが交差する場所として、変わらぬ賑わいをみせていました。

文/写真:後藤 菜穂



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