豊島区でいろいろなライフスタイルを楽しむための情報発信サイト としまscope
 
 

憧れのVANLIFEを実現。軽トラモバイルハウスで池袋のまちに暮らす。

モバイルハウス Django
森本 湧介さん(Django オーナー、豊島区国際アート・カルチャー学生特命大使)

家を持たず、必要最小限のモノだけをVANに載せて、旅をしながら車中泊を楽しむVANLIFE。真の豊かさとは何かを追い求めて、自給自足を実践する人が世界中に増えているのだそうです。―「Instagramに投稿される海外のVANLIFEを眺めては、いつかお金持ちになったらやってみようと夢見ていた」と話すのは、立教大学に通う(登壇当時)森本湧介さん。ある時、日本でも軽トラックを使えば、同じようなライフスタイルがかなえられると知り、―「これはやるしかない!」と即行動に移しました。

木材や内装品など安価で買い揃え、知り合いの大工さんを頼りに作ったのは、軽トラックの荷台に設置できる、木製箱型の居住空間。1週間ほどで完成させました。肝心の運転免許と車、駐車スペースの確保が後回しになるほどの型破りな行動力。―「とりあえず、モバイルハウスは実家に無理やり置くことにしたものの、何も聞かされていなかった両親からは当然のごとく猛反対されちゃいました(苦笑)」。

VANLIFEの価値を必死で両親に説いていたある時、モバイルハウスをきっかけに海外の旅行者を実家に招きいれることになりました。―「それがとにかく楽しい毎日で。彼らと過ごすうちに両親の価値観がガラリと変わったんです。こんなに人って変わるんだと、僕はモバイルハウスを通じて感じることができました」。ソーラーパネルや蓄電器など少しずつアップグレードした軽トラモバイルハウスは、「Django」と命名。好意的な大家さんと巡り会えたこともあって、森本さんは大学のすぐそばにある駐車場を拠点に、新生活をスタートさせました。

大学でサスティナビリティ・ビジネスを専攻する森本さんは、Djangoでの実生活でさらなる学びを得ることができました。―「一人なら、ここで十分な生活ができると実感しました。物を持たなくなり、自分なりに豊かな生活ができていると思っています」。トイレやシャワーなどの水回りに関する不便さはあるものの、“足りない”ことをも楽しむ森本さん。2020年はVANLIFEの本場、米国・サンディエゴへ留学を決めており、―「自給自足の生活をさらに深めたい」と意欲を語りました。


池袋のまちで育ってきたサーフ・アパレルブランドはもうすぐ15周年

Freetopia、INSP
佐野 公保さん(株式会社フリーダムプラス 代表・デザイナー)

―「若者の文化で盛り上がっていた頃の池袋を取り戻したい」と語るのは、サーフ&ストリートアパレルブランド《INSP》の代表兼デザイナーの佐野公保さん。限定受注生産を主軸に、椎名町駅北口にセレクトショップ《Freetopia》を構え、全国のサーフショップへの卸売業も手がけています。IKEBUKURO CITYのロゴが目を引くTシャツはFreetopiaのオリジナルデザイン。そのロゴに込められた想いは、’90年代のサンシャインシティにさかのぼります。

かつて、若者に人気のブランドが軒をつらねていたサンシャインシティ。その一角にあった某サーフブランドの店舗で、当時20代の佐野さんはショップ店員として経験を積みました。一世を風靡したブランドのロゴ入りTシャツは飛ぶように売れ、若者が起こす大きなうねりを肌で感じていた佐野さん。―「その頃の池袋は、渋谷や原宿より盛り上がっていた」と当時を振り返ります。

その後、新ブランドの企画から営業までを担当し、手応えを感じた佐野さんは、独立・起業の道へ。決して平坦ではない道のりでしたが、手探りしながらいくつもの難局を乗り越えてきました。やがて晴れてINSPの代表となり、当初構えていた浅草の拠点から、自身にとってアパレル業界の出発点となった池袋に戻り、再スタートすることを決意します。

現在、Freetopiaを拠点に受注・デザイン・販売を手がける佐野さん。15周年を迎えるINSP商品は、メッセージ性のあるオリジナルデザインが注目されています。この夏、オリンピック競技として新たに加わるサーフィン。若者離れが進む昨今の風潮に歯止めをかけたい──。佐野さんの想いは、日本を代表するプロサーファーや、地元飲食店を営むサーファー仲間、そしてサンシャインシティで苦楽を共にした仲間たちへと伝播し、着実に池袋界隈の熱量を上げています。


あの故郷の味を日本で。愛に溢れる本場の味を届けるという覚悟と想い

ムガルカフェ
Khan Muhammad Akbarさん(ムガルカフェ 店主)

インド出身のカーン・モハンマド・アクバルさんが来日したのは12年前のこと。インドで伴侶となる日本人女性と出会い、結婚後、日本で暮らすことになりました。会社勤めをしていた当初、一番困ったのは食事だったといいます。自然豊かな環境と腕利き料理人が揃う大家族で育ったカーンさんは、異国に渡り初めて自身の際立った味覚に気づきました。―「それならば、いつか自分で店をつくって、本当のインドの味を日本で紹介しよう」と心に決めたのです。

しばらくして、念願のお店を構えたカーンさん。2017年6月、駒込・染井銀座商店街の一角に《ムガルカフェ》をオープンしました。日本で口にするインド料理でカーンさんが気になっていた「脂肪分が多め」「夜食べるとニンニク臭が翌朝まで残る」という2つを解消することを軸に、レシピを考え抜きました。5つ星レストランで経験を積んだシェフ2人が厨房に立ち、ムガルカフェの唯一無二の味を作り出しています。

深みのある味には欠かせないスパイスは、カーンさんがインドで直接買い付けています。―「新鮮なスパイスはインドじゃないと手に入らないんです。いつも宝物を集めるように買ってきています」。その種類の多さはシェフたちが舌を巻くほどなのだとか。カレー以外の料理も広めようと日本人の口に合う食材を使ったビリヤニや、豆腐とパニール(インドで一般的に使われるチーズ)を組み合わせたカレーなどのレシピも開発しました。

ベジタリアン・ビーガン・ハラルにも対応するという万能ぶりは、外国人からの人気も集め、様々なメディアで取り上げられるようになりました。―「子どものことを思ってお母さんが料理するのと同じように作っています」。カーンさんの想いがたくさん詰まったお店は、家族や友人総出で内装を手がけ、温かな手描きの壁画に包まれています。1人でも多くの人に本物のインド料理が届けられるようにと、最近ではデリバリーを始めるなど、駒込のまちに溶け込みながら、日々アップデートするカーンさんです。

ムガルカフェは2020年1月14日に発生した火災によって、店舗での営業ができなくなっております(2020年2月現在)。心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い再建をお祈りいたします。なお、記事の内容は、カーンさんのお店にかける想いを少しでも知っていただきたいと考え、としま会議[2019 NOV]vol.43が開かれた当時の状況を反映しております。再建に向けての過程は《ムガルカフェのカーンファミリー》につづられています。あわせてご覧ください。


まちと接続することで伝える「足りないものはまちを使う」という木賃屋台の世界観

足りなさ荘
山本 直さん(かみいけ木賃文化ネットワーク 管理人、建築家)

昭和の時代にはよく見かけた木造賃貸アパート。「風呂なし・トイレ共同」で4.5〜6畳一間という小さな空間に住む人々は、近所の銭湯や食堂に通い、まちを生活の一部として使いこなしていました。この足りないものはまちを使う文化を「木賃文化」と名付け、その価値を現代版として復活させるプロジェクト《かみいけ木賃文化ネットワーク》を進める山本直さん。上池袋にある木造建築「山田荘・くすのき荘」を拠点に、様々な分野の活動家が集える場をつくり、まちとの結節点としての活動に取り組んできました。ところが、その運営から次なる課題がみえてきたといいます。―「場所を持つと、今度はそこにこもってしまう、ということが起き始めたんです」。

まちに強制的に出るための“口実”が必要だと考えた山本さん。至る所でまちに溶け込む焼き芋屋のリヤカーや、宅配のリヤカー付き自転車をヒントに、自転車で引いて移動できる木造屋台をつくりました。便利な機能を搭載するのではなく、それ単体では“機能不全”を起こしている屋台に仕立て、付けた名前は《足りなさ荘》。「使い方が足りない(様々な使い方ができる)・接続場所を求めている・インフラ寸断(電気・水道を使うには外部との接続が必要)」をキーワードとし、移動しながら様々な人や場との接点を創ることを目指して、2019年3月から各地で接続を開始しました。

皮切りとなった板橋の商店街にあるコワーキングカフェとの接続では、集まる人が思い思いに過ごし交わる光景を見ることができました。その後、豊島区役所で開かれたとしま会議40回記念スペシャル、池袋グリーン大通り開催のnest marcheやIKEBUKURO LIVING LOOP、閉業直前の銭湯への接続を経て、秋には谷根千エリアのまちがそのまま展覧会場となる芸工展に接続。接続先の特性を活かしながら足りないものを借りることで、集まる人々と場を共創してきました。

―「世話を焼きたくなるダメダメ感が、足りないものを満たしてくれる仲間を呼び、接続先それぞれの歴史や生活文化、コミュニティをまちに表出している。足りなさ荘ができるのはその口実をつくること」と山本さんは足りないことが生み出す可能性について語ります。人が混ざり合い、場と場がつながることを仕掛けるために、今後も接続先を募集しながら各地を横断予定の足りなさ荘です。


会場は、今回が3度目のとしま会議開催となる《co-ba IKEBUKURO》。個性あふれるプレイヤーが集るシェアードワークプレイスで、ここからとしま会議に登壇した人もたくさんいます。

文/写真:後藤 菜穂



https://www.facebook.com/toshimakaigi/
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