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看護師から起業へ。感性や調和を大切にするソーシャルコーディネーターという仕事

合同会社en
鈴木 麗子さん(合同会社en 代表社員CEO)

看護師として、医療や保育の現場に約20年従事していた鈴木麗子さん。誰かの役に立ちたいという使命感で走り続けた当時を振り返り、―「完璧さを追求するあまり自分を追い詰めるようにして働いていた」と語ります。見失いかけた自身のアイデンティティととことん向き合ったという鈴木さん。そうして得た真の豊かさへの気づきは、新たな進路の道しるべとなりました。

今の日本は理性ばかりが先行して、感性が失われつつあるのではないか──。看護師の職を離れ、“感じること”の本質を探るようにアンテナを張っていた鈴木さんは、ある時、中南米の国パラグアイのことを知ります。貧富の差が社会問題となり南米エリア最貧国のひとつでありながらも、ある調査では「世界で最も前向きな国」とされるパラグアイ。そのギャップに惹かれ、導かれるように現地を訪ねた鈴木さん。パラグアイの人々の営みに直接触れた体験は、自身の感性を大きく揺さぶるものでした。

もともと親日国でもあったパラグアイには、人々の輪を大切にする慣習が日常に溶け込んでいました。感銘を受けた鈴木さんは、―「パラグアイの人々から日本人が学べることがきっとあるはず」と日本とパラグアイの架け橋となることに情熱を傾けるようになります。そして、その想いを実践に移そうと、クリエイターやプランナーとタックを組み、2019年6月、《合同会社en》を設立。ソーシャルコーディネーターという肩書きで、活動をスタートしました。

社名のenには、5つの価値(園・縁・円・艶・援)への想いが込められています。「理性でつながる関係から感性でつながる関係へ」をミッションに掲げ、新たな循環を生み、調和へと導くことを目指す鈴木さん。子どもたちの感性を育む活動を中心に、様々なコーディネート事業に取り組んでいます。―「今後も日本とパラグアイの文化を伝え合い、価値の交換をすることで新たなenをつくっていきたい」と抱負を語りました。


料理芸人と共につくる、新しいスタイルのYoutube発・料理番組

クッキングレンジャー
杉山 彰啓さん(フリーランス、エンジニア)

杉山彰啓さんは、日進月歩のプログラミング業界で、多方面にわたって活躍するフリーのWEBエンジニアです。そんな杉山さんが、昨夏、YouTubeで料理番組《クッキングレンジャー》の発信をスタートしました。ひとりのお笑い芸人が作った料理をきっかけに、 “おもしろい”と“おいしい”が融合した番組制作を発案。プロデュースから撮影、編集、SNS運用までを一手に担うことになりました。

撮影の舞台は、多彩なプレイヤーが集まるRYOZAN PARK大塚のキッチン。最近テレビで活躍した人や関西で人気を集めたベテラン勢まで、登場する芸人の顔ぶれは必見です。軽快な掛け合いと創作的なレシピがウリのクッキングレンジャー。芸人それぞれの持ち味とクッキングの臨場感を伝えようと、杉山さんは本格的な機材を駆使して動画のクオリティを支えています。―「見ていただいたらわかる通り、思わず見入ってしまうおもしろさがある。私が一番のファンなのかも」と力を込める杉山さんは、自身の仕事の合間に編集に追われる日々なのだそうです。

大手プロダクションとの契約外で行う番組制作は、全てが自費。その分、番組の構成から食材、アイデアの全てを自由にコーディネートしています。メンバーの芸人それぞれの知名度は高く、フォロワーを相応に持ちつつも、―「一番大変なのは、なかなかチャンネル登録数が伸びないこと」と吐露する杉山さん。目下、クッキングレンジャーの知名度を上げることが目標となっています。

―「開運飯や簡単アレンジ料理など、おすすめしたいレシピがたくさんある」と語る杉山さん自身も番組に登場しています。季節や時事に応じたテーマを取り上げながら、今後は社会問題となっている「食ロス」をテーマにした料理や、ファンとの交流の場となるオフ会、様々なコラボ企画など、これからが楽しみなクッキングレンジャーです。


鉄道会社、まちへでる。駅・まち・人がつながる新たな可能性

山手線プロジェクト
道正 俊明さん(東日本旅客鉄道株式会社 東京支社事業部 山手線プロジェクト担当)

―「山手線29駅(2019年12月現在)のうち、目白~駒込間の5駅を有する豊島区は、山手線の駅が最も多い区なんです」。 そう語るのは、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の道正俊明さん。利便性や混雑の印象が強い山手線ですが、実は一駅毎にまちの個性がとても強い一面を持ち合わせています。現在そんな山手線を、個性的で心豊かな都市生活空間《東京感動線》へと価値を拡張するべく、山手線プロジェクトが進行中です。プロジェクトを担当する道正さんは、まちの人々と交流を重ねながら、多様な文化が息づく山手線沿線の魅力を発掘しています。

鉄道会社としてはこれまでにないアプローチで仕掛けているという山手線プロジェクト。―「山手線を情緒的なイメージに変えていきたい」と道正さんは力を込めます。その取り組みのひとつが、フリーマガジンの発刊です。沿線をエリア別に取り上げ、まちのキーパーソンへの徹底取材を通して、暮らしぶりからにじみ出るまちの個性を紹介しています。プロジェクトに先駆けて行った調査によると、豊島区を含む山手線の北エリアは「よく知らないけど今後行ってみたい」という回答が最も多かったのだとか。このことから、フリーマガジンの創刊号には、巣鴨・大塚・駒込が選ばれました。

実際にまちを探索するアプローチも進められています。東京感動線の一環となる《TOKYO SEEDS PROJECT》では、異文化の視点で東京の魅力を発掘してもらおうと、世界5大陸からデザイナーを招き、2018年度には道正さんが池袋駅社員とともに池袋のまち歩きをアテンドしました。さらに、若手アーティストがまちに繰り出し、大塚のまちの音を集め、その音源を元に楽曲を制作する《大塚の音で作る、SOUNDS GOODな音楽を。》は、人・まち・企業の接点をつくる取り組みとして、新しい価値観を導入したプロジェクトになっています。

大々的に打つ広告と一線を画し、一人ひとりに問いかけるようにまちの開拓を進める山手線プロジェクト。未知数の可能性を秘めた取り組みに、道正さんは―「そのまちとそこに住む人を好きになって何度も訪れたくなる、会いに行きたくなる。そんな“関係人口”につながることを目指したい」とプロジェクトに込めた熱い想いを語りました。


親子で始めたけん玉が、まちで新たなつながりとカルチャーをつくりだす

KENHOL・KENDAMA PLACE
東郷 猛さん(KENHOL / KENHOL プロデューサー、グラフィックデザイナー)

東郷猛さんにとって、ホームグラウンドである池袋には、10代で夢中になったスケートボードなどの思い出がたくさん詰まっているといいます。19歳でフリーのグラフィックデザイナーとなり、アパレルブランドを仲間と立ち上げ、やがて1児の父となった頃、スケーター仲間を通じて「けん玉」と出合った東郷さん。―「けん玉って、ある程度の型があり、静かに遊ぶもの。そんなイメージとは全く違っていた」と当時の驚きを語ります。

東郷さんが、見たことのないようなけん玉さばきに出合ったちょうどその頃、海外で新たな価値を吹き込まれたけん玉が逆輸入され始めていました。エキサイティングなフリースタイルに魅了された東郷さんは、すぐさまけん玉の世界に飛び込み、息子の真ノ助くんと共に極めるように日々けん玉遊びをしました。ある時、けん玉ホルダーを手作りした東郷さん。その手製のホルダーをたくさんの人に使ってもらいたいという真ノ助くんの想いと、自身のデザイナーの経験を結集して、けん玉ツール専門メーカー《KENHOL》を立ち上げました。

―「けん玉は子どもだけでなく大人も楽しめる。気軽に持ち歩けていつでも遊べる楽しさを、みんなに知ってもらいたい」と語る東郷さん。南池袋公園で毎月開催されるnest marcheでは、念願のけん玉ワークショップ「KENDAMA PLACE」の定期開催を実現しました。リニューアルした公園に広がる芝生はけん玉を思い切り振るのにうってつけ。ワークショップの参加人数は次第に増え、けん玉をコミュニケーションツールに、参加者は世代も国籍も越えて広がっています。

そして、5歳からほぼ独学でけん玉を続けてきた真ノ助くんは、けん玉の全国大会中学生以下の部門での優勝や、フリースタイルの大会で世界のベスト16に選ばれるという腕の持ち主。KENHOLのInstagramでは、集中の限りを尽くし、刺さった瞬間に感情が弾けるように解放されるけん玉の魅力が動画で紹介されています。東郷さんのスピーチの最後は、真ノ助くんによるパフォーマンスが披露され、参加者を魅了していました。


クリスマスのイルミネーションに包まれる《サンシャインシティ》の特設会場で開催された今回。トークライブの後は、隣接するGLOCAL CAFE IKEBUKUROでパーティが催され、一年を締めくくる回として、大いに盛り上がりました。

文/写真:後藤 菜穂



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